「建築、建設、不動産などの業界で、コンテンツマーケティングを行っている人はいないだろうか。
できれば成功事例が知りたい。小さな建築事務所の公式ホームページや事例ならあるが、コンテンツマーケティングとしてメディア化しているサイトはないかな」
そう思って探されていませんか。
コンテンツマーケティングは、今大ブームで、あらゆる業界がオウンドメディアを構築し、インターネット上での存在感を増しています。
それは決して悪いことではありません。
10年前までは、インターネットといえばまだまだ限られた一部の人のものでしたが、最近はスマートフォンの普及があり、より多くの人がインターネットに接続するようになりました。
当然、一般人がネットに入ってきますので、コンテンツの読みやすさなどが重視されるようになり、より読者に親切に、わかりやすいコンテンツが重視されるようになりました。
ハードルが下がって、特にスマホからのアクセスが増えたのでサイトのコンテンツボリュームはそこそこになりました。
2016年頃まで、長文がSEO対策上有利とされ、こぞって長文コンテンツが投下されていたのですが、あまりに長すぎる長文コンテンツは誰も読めないのです。
しかも、2016年末にWELQ事件が起こって以来、Googleも長文重視をやめ、フレッドアップデートで雑記ブログを検索外に飛ばし、専門性の高いコンテンツを上位表示するようになりました。
ではここで、建築、建設、不動産の業界で行われているコンテンツマーケティング事例を見ていきましょう。
デザインや価格などが重視される業界で、なおかつ買い手にとっては一生ものですので、かなり比較検討される分野です。
スーモやYahoo不動産などの物件検索サービスが人気を集める中、なんとかして独自のオリジナリティを出して、競争に打ち勝っていきたいと考えている業者をご紹介します。
なんと個人で大規模マンション紹介!『マンションマニアの住まいカウンター』
世の中には、不動産が好きで好きでたまらないという人達がいます。
それ自体は、個人の趣味趣向の範囲です。
そうした主にマンションを好む人達が中心となり、なおかつ地主や不動産関連業種で働いている人たちでコミュニティを作っているのが、Twitter上で行われている『全宅ツイ』と呼ばれるコミュニティです。
全宅ツイには、さまざまな人たちがいて、不動産投資を行っている人もいれば、マンションがただただ好きで、新築の物件をあちこちリサーチしている人もいます。
日々情報交換したり、お互いのサイトをブラッシュアップし合ったりなどして、楽しく交流しているようです。
そんな全宅ツイのみなさんですが、その中に「マンションマニア」というハンドル名の方がいらっしゃいます。
マンションマニア氏はその名の通り、マンションが大好きな個人の方です。
そして、「マンションマニアの住まいカウンター」というコンテンツを配信しています。
ホームページを見ていただくとわかるように、プラウドシティ大田六郷、ブリリア東中野ステーションフロントなどなど、さまざまなマンションを足で訪問して観察し、その分析力で豊富なコンテンツを展開しています。
マンションマニアは、広告も貼っていますし、寄稿も受け付けています。
広告代理店からお金をもらって、収益にしているのですが、ディベロッパーからの予算は一切入っていません。
そのため、公正なマンションレビューができるのが特徴です。
マンションマニアは、関東圏のマンションを網羅し、主に新築を狙っています。
人気の湾岸タワマンから都内の高級マンションまで、みなが住みたいと思うようなマンションを狙って、さまざまな情報を提供しています。
Twitterでの情報発信も盛んで、マンションマニア(@mansionmania)という同じ名前で情報を配信しています。
マンションマニアの住まいカウンターから学べることは、どのようなジャンルでも突き抜ければ大きなリーチを獲得できるようになること、一定のブランディングに役立つこと、人気のサイトとなれば寄稿やコンテンツ協力などの形で副収入がサイトから得られること、Twitterでの情報発信を同じ名前で行うことによって、ブランディングに役立つことなどが考えられます。
個人ながら、7800人以上のTwitterフォロワーを抱えており、それだけいればブログへのアクセスも多くなります。
決して、サイトからマンションを売りたいと思って運営しているわけではないのです。
そもそも、建築や不動産のジャンルは、ネットで比較検討してもネットで買うものではありません。
銀行とも話し合いが必要ですし、現地のモデルルーム探訪なども重要なコンバージョンのステップです。
そのため、マンションマニアさんは、コンバージョンさせることではなく、単に楽しいから情報発信し、個人として、ドメイン代、モデルルーム訪問の交通費、カメラ代、手間賃などを広告費や寄稿費で稼いでいるに過ぎないのです。
実はこうした趣味で建築、建設、不動産について語っているサイトは実は他にもあり、全宅ツイのお仲間である「のらえもん」さんは、湾岸地区に住み、タワーマンションをはじめとした湾岸情勢を提供する「マンション購入を真剣に考えるブログ」を運営しています。
のらえもん氏も、マンションマニア氏同様、趣味と実益を兼ねてブログを運営しており、Twitterフォロワー数も多く、インフルエンサーになっています。
しかも、ブログでの専門性が評価されて、しっかりと本も出しており売れています。
こうした個人の事例は、中小企業にとっても役立つでしょう。
個人レベルでも、ブログとバカにせず本格的に腰を入れてブログを更新し、優れたコンテンツを提供すれば、インターネット上で一定の知名度を得ることができます。
マンションマニア氏ものらえもん氏も、ハンドルネームを統一し、ブランディングに成功しています。
匿名で運営していますが、それでも特に問題はありません。
中小企業がこれらの成功事例を真似するとき、匿名や無記名は止めたほうが良いでしょう。
しっかりと会社名を公開し、名前を売りましょう。熱意があれば、マンションがほんとうに好きであれば、ここまでの成功を納めることができるのです。
徹底したリサーチと、マンションを繰り返し訪れて分析するマメさと、情報の正確さと、速さと、そして熱意と愛と戦略が必要です。
さらには、大手ディベロッパーから話があっても、ステマ、ことステルスマーケティングには参加しないのが特徴です。
ステマをしてしまうと、ブランディングは一気に崩れます。
PRであれば【PR】と表記し、公平に書きましょう。読者をできる限り裏切らないようにしましょう。
インターネットユーザーはステマに厳しく、あまり広告費をもらった記事を読むことを好まない傾向にあります。
とはいえ、中小企業の建設、建築、不動産関係者でも、コンテンツの中身を頑張っていれば、寄稿などのお願いがやってきて、収益を挙げたり、よそのサイトでそのサイトの読者に名前を売ったりすることができます。
寄稿はだいたい、1日1000PV程度が取れるようになったころから問い合わせが来るようになります。
ある程度のページビューがないと、知名度がありませんので、PDCAサイクルをしっかり回して、Analyticsを分析し、日頃のアクセスにも気を配りましょう。
中古マンションのリノベーションならおまかせの「リノベる」
建築建設不動産関係で頑張ってコンテンツマーケティングを行っている会社に、リノベるがあります。
リノベる株式会社という会社が運営しており、リノベーションの情報を総合的に得ることができます。
リノベーションの事例が豊富で、古いマンションがどのような素敵な家に変わったのかが一目瞭然でわかります。
リノベるでリノベーションを申し込めば、ワンストップでサービスが受けられます。
工務店、銀行、不動産の業者、設計の会社などをトータルサービスとして提供し、ソリューションとして提案しています。
専属コーディネーターとデザイナーの二人体制でしっかりとサポートしてくれますし、住宅ローンプラスリフォームローンの一体型ローンの世話もしてくれます。
コンテンツマーケティングで優れている点は、リノベるにおいてはヴィジュアルのインパクトです。
しっかりとリノベした部屋の写真を取り、ポエティックな文章とともに事例として並べています。
事例が豊富なことから、サイトを読んだ人は自分が作りたい部屋のイメージに近いものを事前に想定できます。
イメージがしっかり湧いた状態でリノベるに申し込みをしてくれるので、デザイナーやコーディネーターとの齟齬も生まれませんし、話が早いのでおすすめです。
しかし、リノベるはこの事例の文章の部分を、クラウドソーシングで発注しているようです。
だいたい1000文字1000円程度で発注し、写真を元に、美しい文章を納品してもらっています。
この文章の部分は、リノベるのメインコンテンツではないため、クラウドソーシングを利用するのもありでしょう。
クラウドソーシングはメインコンテンツに使うには品質に問題がありますが、そうでないのならばサブで使う場合、コンテンツのごく一部を補うためであれば、外注の選択肢として選んでもいいでしょう。
しかし基本は、不動産になれたライターなどを自力で見つけて、書いてもらうのがベストだと考えられます。
不動産関係などの大きなお金が動く場合でもコンテンツマーケティング
不動産はとても大きなお金が動きます。そのため、サイトから直接売るのはほぼ不可能です。
しかし、サービスを売ったり、ブランディングに成功してコンテンツの質を評価され、そこから派生的に仕事につながったり、という選択肢はありでしょう。
いろいろな事例をみて研究に研究を重ねましょう。
うまくコンバージョンすれば、大きな売上になるので、期待です。